浪人母娘、海原を行く

卒浪人、卒浪人母 新しい春を迎えております

推薦入学にしなかったことを

浪人生活が決定した頃に、ナミコが言った。

推薦入学にしたらよかった。

そう言われれば、たしかにそうだったかもしれない、と実は何度か母も思った。

 

今は国公立でも推薦入学制度を積極的に取り入れる大学が増えてきている。

ナミコは、ちゃらんぽらんに見えても根は真面目なので、在学中無遅刻無欠席だったし、勉強はきちんとしていたから評定平均もかなり高かった。

評定平均だけで言うと、学校の偏差値の差はあれど、海吉とおそらく肩を並べるだろうというレベルだったし、課外活動もすごかったので、県内の大学の推薦入試なら、かなり手ごたえがある結果となっただろうと思う。

 

でもあくまで先生は、一般入試押しで・・。

 

まあ、チャレンジしたい大学があるのに、安全な推薦を選ぶこともないから、一般入試にしてよかったんだよ、と何度もナミコを慰めたけれど、

でも、一年間の浪人生活中の苦悩の日々には、時々私も、推薦にしたら楽だったんだろうなという気がしてきて、一般入試押しだった先生を少し恨んだことはあったな。

今となってはそれも思い出だけど。

 

推薦だったら今の学科には絶対に入っていなかった。

現役の時にはまったく意識しなかった分野だし。

紆余曲折あって、ここに入学することになったわけだけれど、結果的に、この学科がナミコにはとてもとても合っていたようだ。

勉強する内容が、ナミコが小学生の時に、将来やりたいと言っていたことで、毎日、水を得た魚のように、元気に楽しく張り切って講義を受けているのである。

しかもクラスメイトも優しく明るく、性格の良い子が多いらしくて、もともと明朗快活なナミコには、すぐにたくさんのお友達が出来た。

あっという間に公私ともに充実して、すごく楽しそうに大学に通っているのを見ると、「神様の思し召し」って本当にあるんだなと感じる。

 

お前はこの道を進むのが一番、性に合っているんだよ・・。

回り道は、お前にとって、最適な道に続く唯一の道だったのだ。

自信を持って、着実に、前に進んでいきなさい。

 

神様の声が聞こえてきそうだ。

現役の時、楽したいからって推薦を選ばなくて本当に良かった。

今はつくづくそう思う・・・。

 

神様、ありがとう。