浪人母娘、海原を行く

卒浪人、卒浪人母 新しい春を迎えております

ジャストミートなお言葉

浪人が決定した時、しばらくして家族で残念会をした。

さて、これからどうするか。

考えながら食べるパスタは、味がしなかったな。

 

なんだかんだ言っても、受かるんじゃないかと甘く考えていたんだろう。

私自身も。

それが、まさか、不合格になるなんて!

こんな現実がやってくるとは・・・。浪人って、何するの?どうしたらいいの?どう支えるのよ??   と、途方に暮れながらの食事が、おいしいはずもない。

 

帰りに大きな文具店に寄って、浪人生活に必要だと思われる文具を買い、書店では問題集をそろえた。

たくさん問題集や解説集を持っているのに、また、いろいろと。

合格できなかったのを、使っていたテキストのせいにしようとしていたのかもね(苦笑)

 

とりあえず、ナミコの部屋を整理したことを覚えている。

海吉は部屋がとっても綺麗なのに対し、ナミコは全然かまわない派。

一人暮らしなんて始めた時には、一か月もあれば立派なゴミ屋敷を構築できる才能を持っている。

周りをごちゃごちゃにするのが嫌いですっきりと自室を管理している海吉とは大きな違いである。

海吉は、大好物の本やプリントが、どこにあるのかわからなくなるのがイヤなのだろう。

頭の中と同じで、整理整頓しているな、いつも。

かといって、決して潔癖というわけではなく、ほどよくきれい好きというだけなので、母親としてはそういう面でもかなり育てやすいと思っている。

いつでも雑巾持って、あちこちコシコシ、フキフキされたら、それはそれで、大丈夫か??と心配になるだろうし。

 

 

今日朝ごはんを食べているときに、ナミコが何でもないところで口調が強くなる場面があった。

「あなたねえ、その言い方!」

と言うと

「なによ?普通じゃん?」

とナミコ。

「もう少し穏やかに言いなさい。この頃そういう言い方ばかりするね」

と言ったら

「ママは小さなこと気にしすぎ」

だって。

朝からいやな気分になりたくなくて、それ以上は言わずにいたら

「う~~ん。ナミちゃん、最近、ちょっと・・あんまり・・」

と、見かねた海吉が口をはさんでくれた。

「ちょっと、・・なに?」

と高圧的にナミコに聞かれた海吉が、控えめにぽつりと言う。

「・・・傲慢」。

 

 

それよ、それそれそれ!!

私が言いたかったのは。

 

さすが海吉だと思った。

ぴったり。

ジャストミート~~~な言葉じゃないのっ!!

 

私に言われたら、反抗したであろうナミコだけれど、一目置く海吉に言われて、ナミコはぐうの音も出ないようだった。

 

そばで見ている海吉の目にも、最近のナミコはそう映るようだ。

春休みに入って、長い時間近くでナミコの様子を見るようになったからかな。

 

母親として情けないが、ナミコが無事に大学に合格して殊勝な態度を見せていたのはたったの三日ほどだった。

どんどん自分勝手さは復活してきて、私をいらっとさせるのである。

海吉という存在がなければ、私は精神が持たない、やっぱり。

 

そんなことを考えながらこれを書いていたら、ナミコの鼻歌が聞こえてきた。

私の大好きな「糸」を、一番不似合いなナミコが歌っているではないか。

私も心の中でふと口ずさむ。

「縦の糸は、あなた。横の糸は、私・・」

うん、いい歌だなあ。

 

ナミコの大きな声は、まだ洗面所に反響している。

聴きたくないけれど、地声が大きいので(←めちゃ大きい)聞こえてしまう。

うるさいなあ。

ん??

ちょっと待てよ??

 

と、耳を澄まして聴いていると

サビのところを繰り返すナミコ。

 

「た~~ての糸は~~、あたし~~~」

 

ああ、やっぱりね。

ジコチュウ・・。

 

 

 

追伸

 

いつもありがとうございます♡